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母の想いで
2010.04.02
母が他界した年齢に達して始めて、自分の人生を振り返ると同時に母が一人の女性として見えてくる様に成りました。
子供の頃、母が出掛ける時 鏡台の前に座り着物の襟をぐっと開き手ぬぐいを肩に掛け 粉白粉をはたき、小指で口紅を付けお化粧をします。 良い香りがして、その一連の動作が大好きでよく見入っていました。
母の体は白く柔らかく、ふっくらしていましたので着物がよく似合いました。 長襦袢、着物を着て 帯、帯締めをきゅっと締め 最後に手でポンっと帯をたたき、全体を確認します。 綺麗だな〜と 母というより綺麗な女の人に見えて嬉しかったです。
新宿を歩いていたら、呼び止められて 着物お上手に着ていらっしゃいますね なんて声を掛けられたわ、とよく話していました。
出掛ける時はあんなに綺麗なのに、普段はあまりにも構わないので、何時も綺麗にしていて欲しいと頼んだ事がありますが 笑っていました。
女の人っていいな〜と 母から感じた事です。
今日より明日の方がきっと綺麗になれると思えるのは母のお陰です。
4人の子供の上2人に対してはスパルタの教育ママで優秀な子2人を育てました。 下の2人に対しては手抜きをしたなと末っ子の私はひがんでいました。
小学生の時、担任の先生がこの子は頭が悪い訳ではないので、家で勉強を見てあげて下さいと、わざわざ家迄着て下さって母にゆったところ、この子は勉強が嫌いだからいいのです!
なんて母親だと、私の将来の事を考えたら、もっと勉強が出来た方がいいに決まっているのに、等と姉からその話を聞いた時にはショックでしたが、今になると夫々の子に合った様に生かしてくれていると感じます。
女の人って美しく成る事が一番幸せよ! 私に残してくれたメッセージです。
不可能を可能にしようと思える気持ちは、母に感謝です。